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はじめに



 金猊山玄興寺の庫裏落慶並びに蓮如上人五百回忌法要にあたり、「玄興寺と蓮如上人」と題して、開基から戦国時代(本願寺第九世実如上人の在世…1525年頃)、までを書くように依頼されました。既に昭和61年、開基五百年の法要にあたって荒川喜一氏が『玄興寺記』と題する寺史を編纂されており、いまさらという思いがありましたが、住職や総代松之木氏が、荒川氏ご自身があとがきで述べておられますように専門的ですので、「もっと平易なものを」というお勧めもありましたので、筆を執らせて頂きました。

 割と安易に考えて向かいましたが、歴代住職の記述と現存する史料との齟齬矛盾、検証不可能なことが多くあり、改めて荒川氏が大変苦労されたであろうと感じました。それで、出来るだけ由緒や諸記録を紹介しつつ、それを検証するという形で記述することにしました。したがって、「玄興寺史」を顕彰するためには、形を成しているとは言い難いものになったかもしれません。出来るだけ客観的に事実を記述し、不明な点は無理に結論を出さないことにしました。歴代住職による由緒の記述、それ自体また、玄興寺の歴史でもあるからです。